yukaosensei

ハノイで日本語を教えながら、ベトナム語を勉強しています。

#01 わたし&あなた

人称代名詞

個人的に、ベトナム語というかベトナム人らしさを一番感じられるのは「人称代名詞」だと思うんですよね。ベトナム語は相手との年齢的な上下関係によって、わたし・あなたの言い方が変わります。日本語も上下関係を割と気にする言語ですが、ベトナム語は上下って言っても、どっちが偉いとかの上下じゃなくて、年齢的な上下です。ベトナム語の敬語は日本語ほどあるわけじゃないし、そもそも敬語っていうかちょっと丁寧になるよ!ぐらいの言葉しかないけど、会話の中で常に「私とあなたの関係」が意識されています。年下を気にかけて、年上を敬うというベトナム人の素敵な特徴が出ています。ええやんっ。

 

よく使う人称代名詞

Tôi:わたし

一番普通のわたし。「わたくし」みたいな堅苦しい感じらしくて、実際会話で使っている人はほとんど見たことない。正式な場とか文章では使う感じやと思う。相手と自分の関係が入ってへんから、ちょっと冷たいっていうか他人行儀な感じで聞こえるらしい。

 

Anh:わたし / おにいさん

① 自分(男性)が年上で、相手が年下のとき = わたし
② 自分が年下で、話し相手が年上(男性)のとき = おにいさん

場面によって「わたし」「あなた」になるというややこしさ。
自分が男で、話し相手が年下やったら自分のこと「おにいちゃんな〜」って言うやん?あんな感じ。逆に、年上の男の人に話しかける時「おにいちゃん!」って呼ぶやん?どっちもいけてまうやつ。

 

Chị:わたし / おねえさん

① 自分(女性)が年上で、相手が年下のとき = わたし
② 自分が年下で、話し相手が年上(女性)のとき = おねえさん

これも Anh と同じロジック。「おねえちゃんな〜」って言うのと「おねえちゃん!」って呼ぶ感じ。

 

Em:わたし / あなた

① 話し相手が年上(男性でも女性でも)= わたし
② 話し相手が年下(男性でも女性でも)=あなた

おにいさん(Anh)・おねえさん(Chị)は男女の区別があるんやけど、年下は全部 Em って言います。男でも Em 、女でも Em、これは助かるわ◎

 

その他の人称代名詞

Chú:わたし / おじさん

Cô:わたし / おばさん

Ông:わたし / おじいさん

Bà:わたし / おばあさん

Chúng tôi:わたしたち(相手を含まない)

Chúng ta:わたしたち(相手を含む)

 

めもめも

 だいたい Anh・Chị・Em あれば困らへんけど、年齢 & 性別によってもうちょっと細かく分かれてるから、余裕があれば覚えてみてください。日本語でも「おにいちゃん or おっちゃん」「おねえちゃん or おばちゃん」のボーダーラインって曖昧やんか。ベトナムでも「どっちや・・・」ってよくなるんやけど、不安な時は Anh・Chị が無難かなと。

私の出身・関西では、明らかにおっさんやんって人でも「おにいさん」ってよんだり、女性に至ってはおばあちゃんでもいけそうな人を「おねえさん」ってわざと呼んだりすんねん。私の母の妹たち(私の叔母ですね)は、60歳近い私の父のことを今だに「おにいちゃん」って呼んでます。そんな感じで、ベトナム語も「自分と相手の関係」やから、歳をとってもずっと Anh(おにいちゃん)、Chị(おねえちゃん)って呼ばれるパターンあるし、逆に相手が年上であれば100歳になっても Em って呼ばれます。ちなみに、恋愛関係の男女は女性が年上でも人称は Em になるらしい。相手の男性が年下でも、女性は自分のこと Em って言った方が大人しい感じで可愛いよって教えられた。ほんまか知らんけど。